直角定規・留め定規・斜め定規

工具・道具・治具

直角定規・留め定規・斜め定規について

直角定規(スコヤ)


スコヤと呼ばれることが多いです。
英語のsquare(四角形・方形)からきていると聞いたことがありますが、真偽については分かりません。
加工材の直角を確認したり、組み立て時に直角を調べたり、直角に墨線を入れる時などに使います。
ルーターなどの刃の出具合を測ったりする時にも重宝します。
罫引きの寸法調整にも差金同様に使ったりします。
木製のものや金属製のものが有りますが、今では金属製のものがほとんどだと思います。
厚手の妻手に薄手の長手を直角に挟み込む仕組みで出来ています。
外側・内側とも直角の確認が可能です。
上図の一番小ぶりのものが標準的なスコヤです。
一番多く使う機会があると思います。
大きめのスコヤも組み立て時の直角確認(職人言葉では「矩手(かねて)を見る」とか言います)や直角墨線入れに使います。
特に大型のものは大矩(おおがね)といいます。
大型家具の矩手(かねて)を見るときには大変助かります。
余談ですが、昔は「ベニヤ合板」の精度が高く、大きな直角定規として、信頼できました。
現在は外国製品も多く流通しているためなのかどうかはわかりませんが、直角や寸法についても確認してから使うようになりました。(中には怪しいものがあるのは事実です)

留め定規

45度の角度を「留め(とめ)」といいます。
それで45度を測る定規を留め定規というわけです。
額縁を作る時など、これが無いと困ります。
上図の兼用定規は、留め定規とスコヤを兼ねたデザインになっています。
こちらも昔は木製のものがありましたが、今では金属製のものしか お目にかかりません。
爺の工房にも一つだけ木製の留定規があります。
実のところ、経年変化と直接「白がき」(金属製刃物で墨線入れに使います)で墨入れしたりするものですから、正確な定規ではなくなっています。
使い込んでチビてしまった鑿(ノミ)などと同様に、捨てることができなくて工房の隅にある引き出しの中で眠っています。

斜め定規(自在定規)・プロトラクター

任意の角度が必要な時に使います。
既にある不確定な角度の墨線を他方に移したい時にはとても便利です。
任意の角度を知ったり、新たに必要になった時は「分度器」も当然に便利ですが、「プロトラクター」という便利なものもあります。

道具に関しては、必要になってから考えるのが正しいと思います。
まず、何かほかのもので代替できないか?
借りたりできないか?
どうしてもできないなら、初めて購入を検討すべきだと思います。

直角定規・留め定規・斜め定規を使うコツについて

定規は寸法を測るにしても、角度を測るにしても正確な墨入れを行うにしても、正確な位置に置き、ほんの少しでも動かすことなく使うことがほぼ全てだと考えます。
加工技術の云々を言う前に、正確な墨入れは初心者から熟練の職人さんまで誰にとっても必要不可欠です。
すべてのモノ作りは正確な墨線から始まります。
心に余裕を持って墨線入れを始めましょう!

Let’s try!

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