墨壺・チョークライン・白書きについて

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墨壺・チョークライン・白書きについて

墨壺・チョークライン・白書きはどれも材木に墨線を入れる時に使う道具です。
特に原木に木取りの墨を入れる時には墨壺とチョークラインを使います。
チョークラインの線の方が太いので、原木の寸法に余裕がある時(荒木取り)にはチョークラインを使い、寸法に余裕がない時や少しでも正確な墨線が欲しい時などには墨壺を使っています。
両者の違いは墨線の太さ(糸の太さ)に尽きると思います。
白書きは原木にでは無く、平面加工や厚み加工の済んだ材に正確な墨線を入れる時に使います。
当然のことながら、シャープペンシルの線よりも細い線ですので、仕上げ加工など正確な墨線を入れる時に使うものです。
『直角定規・留め定規・斜め定規』
『誰にもわかる「け引き」の使い方』の記事を参照願います。
正確な墨線入れにはこれらの道具で完結できると思います。

墨壺について

爺の工房でも20年ほど前までは昔ながらの「墨壺」と「墨さし」と呼ばれる竹製の筆のような道具を使っていました。
今では大工さんでも使っている人はほとんど見かけません。
上図左側にあるような現代的な(?)墨壺になっています。
デザインや素材が変わっても、使い方は昔通りで、「軽子(かるこ)」と呼ばれる針を持つ一端を固定し、もう一端の本体の糸口を押さえ、ピンと張った糸を弾くことで墨付けをします。
墨壺は長い直線の墨付けだけで無く、糸の弾き方によっては絶妙な曲線も引くことができます。

チョークラインについて

上図右側のチョークラインは、構造も使い方も基本的には墨壺と同じです。
こちらは糸というより紐に近い太さがあることや、墨では無く粉チョークで墨付けするもので、墨線も比較的に幅があることから、荒木取りの墨付けに向いています。
荒木取りには、鉛筆や材木用のクレヨンも使ったりします。
丸太から薪作りのために玉切りする時などは材木用クレヨンの線の太さでも充分です。
むしろ、太い線で目立つ方が、作業が捗ります。

白書きについて

上図 「白書き」は、定規に当てて正確な墨線を書くための刃物です。
刃先の角度は50〜60度ほどが使いやい角度です。
上述のように鉛筆やコンマ何ミリのシャープペンシルの線よりも正確に墨線を入れることができます。

今回のコツ

墨線の太さは、仕上がりの精度に直結しています。
ですが、「白書きの墨線」や「け引き墨線」は、その細さ故に目立たないという欠点があります。
「適材適所」という言葉があるように、墨線おいても「け引き」から「材木用のクレヨン」まで、        用途に応じて使い分けることが肝心です。
「白書き」は刃物です。正確な墨線を入れることができますが、定規を併
用するので、定規を削ってしまうことの無いように、充分に気をつけましょ
う。(定規の精度が落ちてしまうからです。)

それでは… Let’s try!

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