鑿(のみ)について

工具・道具・治具

 鑿(のみ)について

昔から「大は小を兼ねる」と言いますが、鑿(のみ)に関しては成り立ちません。
「大は小を兼ねず」ということです。
鑿の刃幅より大きな穴は開けられますが、逆に刃幅より狭い穴開けは出来ないのです。

 鑿(のみ)の種類について

さて、鑿(のみ)は大別すると、「たたきのみ」と「突きのみ」に分けることができます。
「たたきのみ」は「つか頭(つかがしら)」かつらの部分を鎚でたたき、木材に穴あけや切削をするものです。
ですから、「突きのみ」と比べると「穂」も「くび」も「つか」も鎚の打撃に耐えられる様に、厚く丈夫にこしらえてあります。
「つか」の頭部が打撃で割れることを防ぐために、金属製の環「かつら」をはめてあります。
この「かつら」を直接叩くことのない様に、「たたきのみ」を使う前には、「つか」の頭部を少し削り、「かつら」が「つか」の頭部よりも少し中に入るように仕込んでおく必要があります。
「たたきのみ」の代表的なものに「追入れ(大入れ)のみ」があります。
刃幅で言うと、3㎜、6㎜、9㎜、12㎜、15㎜、18㎜〜のように3㎜刻みで〜42㎜位まであります。
道具屋さんでは、十本1組で販売されていたりします。
もちろんバラ売りもされてはいますが、最初は一セットを購入されることをお薦めします。

一方の「突きのみ」は、使いやすさが優先されて作られていて、全体に「たたきのみ」よりは薄く華奢な作りとなっています。
「かつら」の無いものを総称して「突きのみ」と言いますが、(薄のみ)とか(押しのみ)とかとも呼ばれます。
「穂」「くび」「つか」全体に細長くなっています。
堅木を相手に無理やりチカラを込めて使うと、曲がってしまうこともあるので、注意が必要です。
微妙な仕上げに向いています。
鑿の代表選手は以上ふたつが挙げられますが、他にも「丸のみ」「しのぎのみ」「こてのみ」「かき出しのみ」など、形状や用途によって分類されます。
これまでに、「鋸」「鉋」「鑿」など刃物のある道具に関して、簡単に説明してきましたが、刃物は切れてナンボのものです。
いつか、それぞれの刃物の研ぎ方についても解説していきたいと思います。

鑿(のみ)鑿

 鑿を使うコツ

「たたきのみ」では、以前に解説をした「釘締め」同様に視線は穂先(刃先)です。
最初はどうしても「かつら」に視線が行きますが、練習して穂先だけに視線がいく様にしましょう。
もうひとつは、先述の通り、「かつら」を直接叩かない様に仕込んでおくことです。
「たたきのみ」「突きのみ」両方ともですが、基本的には材料と直角に仕上げることが圧倒的に多いと思われますので、「穂」を垂直に入れられるように練習しましょう。
慣れてきたら、案外と上手に感覚だけでも鑿は垂直に入るようになります。

 

Let’s try!

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