釘締めとは
「釘締め」とは、打ち込んだ釘を材料面から更に深く打ち込むために使う道具です。
最近では木工で釘を使う機会はさほど多くないかもしれません。
爺自身も大抵の場合はモクネジを使うことが多くなり、ほとんど手にする機会は無くなったように思います。
しかし、道具箱の中にあるとチョッと便利な道具のひとつです。
「本来の目的以外の具体的用途は?」と問われても、すぐには思い浮かびませんが、使われる機会は充分にあると思います。
思い返せば爺が生まれて初めての木工で道具箱を作った時も、「釘締め」を使い釘の頭を隠し、
※1「ダボ埋め」をしました。
何十年も前に木工を志した頃の話ではありますが、今でもしっかりと覚えています。
※1「ダボ埋め」 釘の頭やモクネジの頭が外観に現れると良くない時に目立たなくさせる釘隠しの技法のひとつ。 先に掘った穴に釘打ちをして、「釘締め」を使い更に深く釘の頭を沈めた上から丸棒などの栓を打ち込み、外観を整える手法。下図のように「釘締め」を行なった後に丸栓を打ち込み仕上げれば釘の頭が見えなくなります。
「釘締め」のコツ(knack)
慣れないうちは自分の手を誤って玄能で叩いてしまうのではないかと、どうしても青丸の部分を注視してしまいます。
しかし、この作業の要は視線を赤丸部分から外さないことです。
自分の手を叩いてしまう失敗よりも、「釘締め」が釘の頭から外れてしまい加工品に「釘締め」の先端が当たり、キズをつけてしまう失敗の方がイタイと感じましょう。(笑)
図Aは、「釘締め」を使う本来の方法となります。
余裕があれば左手はもっと下部でも良いかと思います。
図Bは、箱の内側などで「釘締め」を使う時、上部に空間の余裕があまり無い時の一手法です。
玄能も横向きにしてしまうと、打ちシロが稼げると思います。
この時でも、視線は赤丸部分から外さないことが肝心であることは言うまでもありません。
玄能の凸面だけで釘打ちを仕上げる不安がある時にも、「釘締め」を使えば比較的容易に、美しく釘打ちを終えることができます。
それでは早速実践してみましょう。 Let’s try!