額縁を作ってみよう!(1)

他にも

額縁(フレーム)について

額縁には、大きく分けて二種類あると思います。
ひとつは桟を使って組み立てるもの。(ほとんどが4角形ですが、稀にデザインで8角形などあります。)
もう一つは、板を刳り抜いて作るもの。
どちらもその亜流はありますが、大別するとその二種類になります。(下図)

額縁作りには木工技術の基礎工程が、ほぼ凝縮されています。
つまり、額縁作りができれば、木工の基礎は習得しているとも言えるわけです。
具体的には

木取り

材料を仕上がり寸法よりも少し大きめの寸法に取り分ける。
今回は、桟4本の木取りですので、できるだけ柾目で取れないかを工夫
してみることも大切です。
無垢材の場合は、傷・割れ・節などを避けて木取りすることも大切です。
(傷・割れ・節などが魅力になる場合もあるので、吟味が必要です。)

寸法仕上げ

木取りした材料を、仕上がり寸法まで仕上げていきます。
今回は桟ですので、全ての面の直角が出て、尚且つ、長さ以外の寸法がキチッと出ているように仕上げます。
長さは仕上がり寸法より30ミリ程度長い目に出来ていれば良いと思います。

溝切り

ガラスや色紙、裏板などがちゃんと入る溝を切る必要があります。
鉋(かんな)その2で紹介した手鉋で溝を切る方法もありますし、
木工をはじめよう!ルーター・トリマで紹介したルーターやトリマで溝を切る方法もあります。
今回は、桟の肩を落とすので、爺は「昇降盤」で溝切りしました。
色々と工夫してみてください。

 

面取り

今回の「面取り」は額縁桟の表情を作る大きな「面」のことを言っています。
爺は「甲丸面」で作りましたが、内外に大き目の角面を取るだけでも、それなりに見えるので、思い思いの面取りをしてみてください。
鉋(かんな)その2で紹介した面取り鉋を使ってもよし、木工をはじめよう!ルーター・トリマの 利用でもよしです。

(仮)仕上げ

額縁は、中に入る写真や絵を切り取る「窓」だと爺は考えています。
ですから、あまり目立ってはいけません。
逆に、あまりにも「粗雑」ではいけないと思います。
「粗雑」と「素朴」は非なるものだとも思っています。
サンドペーパー仕上げをするのであれば、この段階でやっておくほうがいいでしょう。

 

留め切り(45度で切り落とし)

桟の加工が終わったら、いよいよ「留め切り」です。
正確に45度に切り落とす難しさを経験してみてください。
コツは鋸挽きをする時に、できるだけ墨線に近いところまで落とし、墨線までは鉋で仕上げ仕上げることです。
留め切りで桟の表面が荒れてしまっても、この段階でのサンドペーパーでは留め切りした部分(木口)に絶対触れてはいけません。(隙間が出来てしまいます。)

 

組み立て

全ての加工が終了したら、いよいよ組み立てです。
額縁の組み立ては「留め」の接着となるので、普通のクランプでは役に立ちません。(やといざね加工であれば別ですが…)
ゴムバンドや専用の締め付け器具を使いましょう。

 

塗装

塗装は必要に応じてとなります。
木工オイルなど塗り込むだけでも良い表情になるものもあります。

 

仕上げ

最終的に裏板や押え金具を付けて完成です。
釣り金具や紐も付けることで、完成度が上がりますね。

工程は以上となります。

今回はオーソドックスな4本の桟で作る色紙額を作ってみたいと思います。
 先ほどの画像の右側のものです。
この額縁は「神代杉」で20年以上も前に作ったものです。
額縁の材料に関しては、広葉樹・針葉樹なんでもいいと思います。
但し、加工後に「曲がり」や「ねじれ」の起きにくい樹種や、「柾目」が良いのは当然であります。
先にも書きましたが、額縁作りには木工技術の基礎が凝縮されていますので、必ず後々に役に立ちます。
とはいえ、理想はともかく、手に入る材料であれば何でもいいので、是非、挑戦してみてください。
次回からはいよいよ実践編として、工程を順に追って解説していきます。
今回は必要なもののリストを最後に載せておきます。
寸法については、爺がつくったものですので、参考程度にとどめておいてください。
「自分でどのような額を作りたいのか?」を考え、寸法を割り出し、図面を引いてみてください。
フォトフレームなのか、色紙額なのか、表彰状額…
お気に入り切手1枚だけのための額もいいかもしれませんね。

—参考—

爺の作った色紙額

・ガラス:2×242×272    1枚
・色 紙:2.2×242×272   1枚
・裏 板:4×244×274    1枚(シナベニヤ板)
・桟  :27×30×350(321) 2本
:27×30×322(292) 2本

これ以外にも「吊り金具」や「トンボ」、「吊り紐」などあればいいですね。

 

Let’s try!

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